はじめに
こんにちは、エムオーテックスAPI開発チームの小久保です。
本記事をご覧いただき、ありがとうございます。
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版(以下、クラウド版)のWeb APIを活用されているお客様にヒアリングを実施しました。
今回はそのヒアリング活動と現在のWeb APIの利用状況について共有いたします。
背景
エムオーテックスでは、お客様の課題解決や業務効率化に貢献するため、クラウド版が他製品と連携しやすくなるようにWeb APIを公開しています。
現在、以下の4種類のエンドポイントを提供しています。
項目 |
---|
活動時間API |
お知らせ情報API |
インストールアプリ情報API |
ハードウェア資産情報API |
Web APIの利用状況はAWS QuickSightを用いて可視化しています。
今後の活用をさらに促進するため、利用状況から候補となるお客様をピックアップし、エムオーテックスのカスタマーサクセスチームがアポイントを取りました。
また、会議以外にもメールでご意見をくださったお客様にも感謝しております。
お忙しい中お話を聞かせていただき、ありがとうございました。
当日の雰囲気
ミーティングは1時間の予定でしたが、お客様の熱意やエムオーテックス開発チームのメンバーからの追加の質問などにより、お客様の合意の上で時間を少し延長することになりました。結果として、非常に有意義な場となりました。
ヒアリング事項としては、大まかに以下の内容をお聞きしました(一部抜粋):
- LANSCOPEのWeb APIを知ったきっかけ
- Web APIの実行方法
- 既存のWeb APIでのお困りごと
- LANSCOPEを普段どのように利用されているか
- LANSCOPEの運用で自動化したい機能について
- その他ご意見
所感
エムオーテックスの製品をご活用いただく方は、主に情報システム部の方々です。
Web APIを用いて他製品と連携する場合、情報システム部とは別部門の方がご利用されるケースもあります。
今回はLANSCOPEシステム管理の方と業務自動化のご担当者様にご参加いただきました。
それぞれのお立場からご意見をいただくことができ、非常に有益な情報をたくさん伺うことができました。
自分たちが考えた仕様のWeb APIで連携するデータをさらに活用いただいており、とても嬉しく感じました。
一方でご要望として、クラウド版の設定の変更などが行えるWeb APIのエンドポイントの公開希望をいただきました。
エムオーテックスとしても、設定がWeb APIから変更できることで、より活用の幅が広がると考えております。
いただいた内容は社内にフィードバックいたしました。
お客様の生の声を直接お聞きする機会はあまり多くないため、今回の場はとても有意義なものとなりました。
実際に自分たちが開発したものを利用いただけていることに達成感を感じ、さらに良いものを提供したいというモチベーションにもなりました。
今後もよりお客様に価値ある機能をご提供していきたいと思います。
利用状況について
ここまで個人的な所感となってしまいましたが、ここからは少し技術面のお話に触れたいと思います。
簡単な構成図となりますが、お客様が実行されたWeb APIのログを集約し、AWS QuickSightで分析に活用しております。
リアルタイムでログは収集し、分析のための抽出については1日1回の実行(対象は前日分)を行っております。
抽出した利用状況のデータはQuickSightのSPICEに保持しております。
SPICEに保持することで、都度の検索の実行などを行わないため、コストや表示速度の観点からもとても優れた物となっております。
利用割合について
現在エンドポイントとしては下記を公開しており、利用率を全体で100%としたとき以下の利用割合となっております。
項目 | 割合 |
---|---|
活動時間API | 約4% |
お知らせ情報API | 約1% |
インストールアプリ情報API | 約5% |
ハードウェア資産情報API | 約90% |
ハードウェア資産情報はインストールアプリ情報や活動時間などでも共通して利用するパラメータを取得するときに実行されるため、必然的に割合は多くなると考えております。
個人的にはお知らせ情報のエンドポイントもご活用いただいており、他のものに比べて割合は少ないですが、ご利用いただけているのが嬉しいです。
利用の推移
日別の実行数ですが、徐々にご活用いただいているお客様が増えており、日々の実行数が増加している傾向が見て取れます。
たまに数字が伸びているのは、恐らく開発や検証作業のため、システム等による定期実行以外の実行が増加しているためと考えています。
今後もお客様の利用されているサービスとの連携などにご活用いただければ幸いです。
利用の傾向
Web APIの利用の傾向として、システムなどによる定期的な実行が行われるケースが多いと感じております。
そのため、継続的に利用をされているお客様は上位に表示されております。
具体的な活用例のご紹介
ここまで、LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版のWeb APIの利用状況や傾向についてご紹介しました。
次に、実際にどのようにWeb APIを活用できるかについて、例をいくつかご紹介したいと思います。
これらの活用例は、生成AIを用いて考案しています。
また、管理コンソール上ですでに実現できている内容もございますため、必ずAPIを使用しないといけないというものではございません。
1. 活動時間APIの活用例
目的: 労働時間の管理と生産性の向上
- 定期レポート生成: 活動時間APIを1日1回実行し、従業員ごとの労働時間や作業の割合を集計します。
これをもとに、週次や月次のレポートを自動生成し、Microsoft Power BIやExcelで可視化します。
これにより、管理者は定期的に労働時間を監視し、過労や不均衡を早期に発見できます。 - 生産性向上のためのフィードバック: 定期的に集計されたデータをもとに、各従業員に対して月次でフィードバックを提供します。
例えば、特定の業務に過剰な時間を費やしている場合、その業務の効率化を提案することができます。
2. お知らせ情報APIの活用例
目的: システムの安定運用と迅速な対応
- 定期チェックと通知: お知らせ情報APIを1日1回実行し、障害情報やリリース情報を取得します。
これをもとに、Microsoft Teamsの特定のチャンネルに日次でまとめて通知するシステムを構築します。
これにより、情シスチーム全体が重要な情報を共有でき、迅速な対応が可能となります。 - 週次レポート: 取得したお知らせ情報を週次でまとめ、Microsoft Power Automateを使用して自動的にレポートを生成し、関係者にメールで送信します。
これにより、過去の障害やリリース情報を一目で把握できます。
3. インストールアプリ情報APIの活用例
目的: ソフトウェア資産管理とセキュリティ強化
- 定期ライセンス管理: インストールアプリ情報APIを週次で実行し、インストールされているアプリケーションの情報を集約します。
これをもとに、Microsoft ExcelやSharePointにライセンス管理台帳を自動更新します。
これにより、手動での更新作業を削減し、ライセンスの適正管理が可能です。 - セキュリティリスクの定期監視: 特定のアプリケーションがインストールされているかを週次でチェックし、セキュリティリスクを早期に発見します。
特定のアプリケーションが検出された場合に、Microsoft Teamsにアラートを送信するシステムを構築します。
4. ハードウェア資産情報APIの活用例
目的: ハードウェア資産の最適管理と更新計画
- 資産台帳の定期更新: ハードウェア資産情報APIを月次で実行し、ハードウェア資産のCPUやOSなどの基本情報を取得します。
これをもとに、Microsoft SharePointに資産台帳を自動更新します。
これにより、手動での更新作業を削減し、常に最新の資産情報を保持できます。 - 更新計画の策定: ハードウェアの老朽化状況を月次で集計し、Power BIで可視化します。
これにより、更新が必要な資産を特定し、計画的なハードウェア更新が可能となります。
おわりに
本記事では、LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版のWeb APIをご活用いただいているお客様のヒアリング結果と
Web APIの利用状況について共有しました。
お客様のフィードバックを、今後もより良い製品を提供していくための参考にしていきたいと思います。
また、エムオーテックスでは採用活動も行っておりますので、ご興味があればぜひ採用サイトもご確認ください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
引き続き、エムオーテックスをよろしくお願いいたします。