はじめに
こんにちは、サービス戦略課の宮崎です。
今回は AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 認定ベータ試験 が発表されたので、早速受験してみました。
プラクティショナー認定試験だから楽勝だと思っていましたが、予想以上に苦労したので、この記事で紹介する勉強方法が皆様の合格の一助になれば幸いです。
AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 認定ベータ試験
学習する前に
AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 認定ベータ試験は、名前の通りプラクティショナー認定試験になります。AWS の認定試験としては難易度が基礎レベルの認定試験になります。
以前の記事にも書きましたが、私は JDLA Generative AI Test、ディープラーニング G 検定 を取得した後、Amazon Bedrock を使って簡単なツールを作ったりしていますが、まだまだ AI 初心者な人間です。そのため、今回の試験を受けることで AWS の AI関連サービスを知りたいと思って受験してみました。
JDLA Generative AI Test 合格時のブログ
ある程度は AI の前提知識があるので、ノー勉状態の現在の知識と実力でどこまで点を取れるのか、AWS Skill Builder の模擬試験 を解いてみることにしました。しかし、結果は惨敗でした。
解く前に分かっていましたが、AWS Certified AI Practitioner は AWS 認定試験です。 AWS の AI 関連サービスを知らなかったら全く点が取れません。
アーキテクトに関連する設問もあり、全体的な AWS サービスへの理解は必須になるので、もし AWS 初心者であれば、当該試験を受ける前に AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C01) を勉強してみる方が良いと思います。
AWS Certified Cloud Practitioner 認定試験
機械学習に使われる数学の問題(計算式という意味ではなく、数学概念の理解)も設問にあったので、確実に合格するには数学の基礎的な知識は必要になってきます。そうは言っても数学は幅広いので、もう 数学はバッサリ切り捨てて 受験するのも一つの手だと思います。
尚、AI プラクティショナーのベータ試験は、試験時間120分、設問数85問、受験料11,000円 になります。また、AWS のベータ試験としては初めて 英語と日本語の同時提供の試験になります。 少々日本語が怪しい設問もありましたが、設問自体は短いのでそこまで気にすることはないと思います。
学習方法
今回は王道の勉強方法から少し外れて模擬試験から受験しましたが、ここからは王道の「書籍を読む」「試験ガイドを読む」「模擬試験を復習する」という三段構えで勉強しました。
学習方法その1 -書籍を読む-
まずは幅広く AWS サービスを学べる体系的に紹介されている参考書をいくつか読んで、AI 系のサービスを学びました。名前とサービスを紐付ける必要があります。
一つ問題があって、私が持ってる書籍は新しいもので2022年10月に出版されたものでした。まだ ChatGPT も存在しない頃です。書籍に載ってないサービスや新機能もたくさんあると容易に想像されます。
時間が解決してくれる話ですが、明日にでも試験を受けたい人にとっては AWS の AI サービスを学ぶには圧倒的に書籍が足りません。そこで、書籍以外の読み物を探すことにしました。
学習方法その2 -試験ガイドを読む-
新試験なので情報はありません。書籍だけではどうにもならないので、シラバスに相当する AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 試験ガイド を確認することにしました。
出題される分野
本試験のコンテンツドメインと重み設定は以下のとおりです。
- 第 1 分野: AI と ML の基礎 (採点対象コンテンツの 20%)
- 第 2 分野: 生成 AI の基礎 (採点対象コンテンツの 24%)
- 第 3 分野: 基盤モデルの応用 (採点対象コンテンツの 28%)
- 第 4 分野: 責任ある AI に関するガイドライン (採点対象コンテンツの 14%)
- 第 5 分野: AI ソリューションのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス (採点対象コンテンツの 14%)
(引用元:AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 試験ガイド)
AI の基礎、ML の基礎、生成 AI の基礎に理解があれば、追加で Bedrock や SageMaker などの基盤モデルのサービスを勉強すれば、どうにかなりそうな印象を受けました。
また、出題される範囲 だけでなく 出題されない範囲 まで丁寧に記載されています。
出題される範囲
受験対象者は、以下の AWS の知識を有している必要があります。
- AWS の主要なサービス (Amazon EC2、Amazon S3、AWS Lambda、AmazonSageMaker など) と AWS の主要なサービスのユースケースに精通している。
- AWS クラウドのセキュリティとコンプライアンスに関する AWS 責任共有モデルに精通している。
- AWS リソースへのアクセスをセキュリティ保護および制御するための AWSIdentity and Access Management (AWS IAM) に精通している。
- AWS リージョン、アベイラビリティーゾーン、エッジロケーションの概念など、AWS グローバルインフラストラクチャに精通している。
- AWS のサービス料金モデルに精通している。
(引用元:AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 試験ガイド)
出題されない範囲
受験者対象が実施できることが想定されていないジョブタスクは、以下のリストのとおりです。このリストはすべてを網羅しているわけではありません。以下のタスクは、本試験の範囲外です。
- AI/ML モデルまたはアルゴリズムの開発またはコーディング
- データエンジニアリング手法や特徴量エンジニアリング手法の実装
- ハイパーパラメータのチューニングまたはモデル最適化の実行
- AI/ML パイプラインまたはインフラストラクチャの構築とデプロイ
- AI/ML モデルの数学的または統計的分析の実施
- AI/ML システムのセキュリティまたはコンプライアンスプロトコルの実装
- AI/ML ソリューションのガバナンスフレームワークとポリシーの開発と実装
(引用元:AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) 試験ガイド)
ここまで最初に理解してれば効率良く学習ができそうです。では、最後に実際に想定される試験内容を確認していきたいと思います。
学習方法その3 -模擬試験を復習する-
学習する前に実施した AWS Skill Builder 模擬試験 を復習してみます。
「この AI サービスを使えば何ができるか」「こういうことをしたい場合、どの AI サービスを使えばいいか」「AWS サービス間の連携をどう構築していくか」 を主軸に考えて復習すると、体系的な理解をすることができます。AI も AWS も関係なく、あくまで一つ一つのソリューションとして捉えていけるのではないかと思います。
問題に出てきたサービスを逆引きで調べて学習する、という方法である程度理解を深めていったところで、いざ本番試験に向かいました。
合格特典
- AWS 認定試験 50% オフの特典が貰えます。昨今は AWS 認定試験料金が高騰しているので、この特典は嬉しいですね。
- ベータ試験合格者限定でアーリーアダプターバッジが貰えます。 申請期限は 2025年2月15日 になります。
- ベータ版合格者限定でスペシャルステッカーが貰えます。 アーリアダプターバッジを取得している必要があります。
おわりに
ベータ版ならではの楽しさがあると思って気軽に受けるつもりでしたが、AWSサービスが分かってないとまず合格できない試験だったので、予想以上に苦労しました。
ベータ試験を受験できるのは今だけなので、興味のある人は今のうちに受験されてはいかがでしょうか?