こんにちは。インフラチームの倉橋です。
弊社で実施しているAWSのコスト削減について何回かに分けて書いていきたいと思います。 お役にたてば幸いです。
リザーブドインスタンス
まずはコスト削減の定番中の定番であるリザーブドインスタンスです。
1年 または 3年の利用をコミットすることで大幅な削減が可能となる購入オプションとなります。
年単位で利用される事が決まっている対象がある場合、購入をオススメしたいです。
記事執筆時点の対応サービスは以下。
- EC2
- RDS(Aurora)
- OpenSearch Service
- DynamoDB
- ElastiCache
- Redshift
EC2で購入した場合の1つの例を見ていきたいと思います。
今回の購入したいEC2インスタンスを仮に m6g.large
とします。
リザーブドインスタンスの購入条件は以下とします。
購入期間 | 支払いオプション | テナンシー |
---|---|---|
1年 | 全額前払 | 共有 |
購入には様々な選択肢がありユースケースに応じて最適な選択が可能です。
今回は説明割愛させていただきます。
では、この場合の購入額と削減額はどうなるでしょうか?
購入額 | 実質的な時間単位料金 | オンデマンド時間単位料金 | 割引率 | 年間削減額 |
---|---|---|---|---|
515 USD | 0.059 USD / hour | 0.099 USD / hour | 41% | 350.4 USD |
上記のように1つのインスタンスだけでも、かなりの削減効果が期待できます。
様々な購入オプションがありますので、組み合わせ次第では更に削減効果が期待できます。
是非とも活用いただきたいです。
Savings Plans
リザーブドインスタンスと同様、1年 または 3年の利用をコミットすることで大幅な削減が可能となる購入オプションです。
記事執筆時点の対応サービスは以下。
- EC2
- Lambda
- ECS(Fargate)
- SageMaker
リザーブドインスタンス同様、複数サービスが購入対象となっています。
では、リザーブドインスタンスとの違いは何でしょうか?
まずはリザーブドインスタンスの対象ではなかった以下サービスが対象になっています。
- Lambda
- ECS(Fargate)
- SageMaker
Lambda および ECS(Fargate)は世界中のAWSユーザーが待ち望んでいたものではないでしょうか?
その他の違いとしてEC2の対象範囲の考え方が異なってきます。
リザーブドインスタンスでは「インスタンスタイプ」を指定しての購入が一般的な買い方です。
かたやSavings Plansは、「インスタンスタイプ」を気にせず購入が可能となります。
例えば「m5」「m6g」「r5」。。。と複数インスタンスタイプを使用している場合、
リザーブドインスタンスですとそれぞれ購入する必要がありますが、
Savings Plansであればタイプ・個数気にすることなる「EC2でこれだけ利用コミット」で完結します。
これは本当に素晴らしく過去リザーブドインスタンス購入経験がある方々からすると歓喜の舞を踊ってしまうほどかと!
ただし!要注意なのが「割引率」がリザーブドインスタンスよりも「低い」点です。
「m6g.large」を例にしますと同条件の購入で「12%」の差があります。
購入期間 | 支払いオプション | テナンシー | リザーブド割引率 | Savings Plans割引率 |
---|---|---|---|---|
1年 | 全額前払 | 共有 | 41% | 29% |
利便性よりもEC2の割引率を最大限にしたい場合は「EC2 Instance Savings Plans」もありますので、
こちらも検討するのがよいと思います。
購入はAWSコンソールから行うのですが、買い方がリザーブドインスタンスとは大きく異なります。
「1時間あたりどれくらいの利用額をコミットするか」という買い方となりコミット額を決定すると支払う額が確定します。
はじめ非常に分かりにくいのですが、分かりにくいからかAWSコンソールにて「推奨コミット額」を提示してくれる親切設計となっております。
自身の購入オプションによりコミットすべき額を提案してくれるスグレモノです。
まずは推奨額の購入を検討されることをオススメします。
CloudFront Security Saving Bundle
CloudFront にも割引きプランがあります。
こちらは「1年間」の利用料をコミットすることで「最大30%」の割引を得ることが可能です。
更にコミット額の10%の「AWS WAF」クレジットも付いてきます。
定常的にCloudFrontの利用があるサービスにはうってつけの割引サービスとなっています。
こちらもSavings Plans同様「推奨コミット額」を提示してくれる親切設計となっております。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
AWSでは幾つかの割引オプションがあり、それらを活用することで年間で大幅な割引を得ることができます。
是非とも活用してコスト削減、サービス利益のアップを目指していきたいですね。