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【JCSQE 中級】難易度は?私の合格パターンと勉強方法を公開

【JCSQE 中級】難易度は?私の合格パターンと勉強方法を公開

こんにちは、テストチームのこーちです。

この記事では「JCSQE ソフトウェア品質技術者資格認定 中級」(以下、JCSQE 中級)に合格した勉強方法についてご紹介します。

はじめに

先日、JCSQE 中級を受験し、無事に合格しました。 私が実際に行った、学習方法をご紹介します。

試験対策のポイントや、効果的な学習方法を公開しますので、 これから試験を受ける皆さんのお役に立てれば嬉しいです!

1.ソフトウェア品質技術者資格認定 中級とは

本制度は、すべてのソフトウェア技術者に品質技術を身につけ、実践していくことにより、ソフトウェア品質の向上を実現することを目的としています。

品質保証部門だけでなく、開発者、テストエンジニアなどソフトウェア品質に携わるすべての方を対象としています。 www.juse.jp

出題範囲が広く、ソフトウェア品質に関する基本的な知識から実践的な技術までを網羅しています。

テスト・品質管理の従事者だけでなく、ソフトウェア開発者にもぜひ習得を勧めたいです。

出題される問題の特徴

選択問題と記述問題(穴埋め、25~50文字程度の文章作成)があります。

選択問題では、基本的な知識や概念の理解が問われることが多いです。

記述問題では、与えられるシチュエーションに対し、実践的な技法や対応方法の回答が求められます。

記述問題は特に、実務経験を活かして、具体的な事例に対する対応策を考える練習を行うことが効果的です。

JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level (以下、JSTQB AL)との違い

JCSQE に並ぶソフトウェアテストの資格として、「JSTQB」を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?

似た略称の2種類の資格ですが、以下のような違いがあります。

ぜひ資格選びの参考にしてください。

情報は 2024/2/14 現在のものです。受験時は公式サイトの最新情報を確認してください。
JCSQE ソフトウェア品質技術者資格認定JSTQB認定テスト技術者資格
JCSQE 中級 JSTQB AL(TM:テストマネージャー) JSTQB AL(TA:テストアナリスト)
概要 ソフトウェア品質知識体系ガイド
(SQuBOK Guide) 第3版に基づいた、
品質管理の知識、実践的な技術・
考え方を問われる
ISTQB AL (TM) シラバス 日本語版に
基づいた、ソフトウェアテスト
プロセス・リスク・欠陥などの
マネジメント手法について問われる
ISTQB AL (TA) シラバス 日本語版に
基づいた、ソフトウェアテストの
計画・分析・実装・実行、
テスト技法について問われる
実施団体 一般財団法人日本科学技術連盟 ソフトウェアテスト技術振興協会
(ASTER)
ソフトウェアテスト技術振興協会
(ASTER)
第1回試験日 2010/11/6 2011/8/27 2016/2/13
平均合格率
※過去3回
12.6%*1 34.0%*2 33.2%
合格者数 337名 826名 642名
受験資格 なし JSTQB (or ISTQB) FL 合格者
かつ、業務経験3年以上*3
JSTQB (or ISTQB) FL 合格者
試験形式 年1回 現地会場での試験 常時受験可能 CBT方式 年数回 CBT方式
問題形式 選択問題25問+記述問題17問 選択問題65問 選択問題40問


2.合格への道のり

私が JCSQE 中級 に合格するまでに、実際に歩んだ道について紹介します。

そもそも...自分のバックグラウンドと動機

  • 経歴
    • 新卒でエムオーテックスに入社
    • テスト・品質管理業務に約6年程従事
  • 主な保有資格
    • 2021年7月:JCSQE 初級
    • 2022年3月:JSTQB AL TA
    • 2023年3月:JSTQB AL TM
    • 2024年1月:JCSQE 中級 ←今回のテーマ
  • 動機
    • 広い範囲の品質管理技法を、体系的に学習したい
    • より高度な技法を自社の開発ライフサイクルに組込みたい
    • 最適な技法選択を行えるようになり、品質管理の生産性を高めたい

実践!勉強方法

試験2か月前から試験当日までの、学習の軌跡・ポイントを示します。

手順 概要 時間(目安)
1 JCSQE 初級 問題集の復習 3h

初級の受験時(2021年)は、第2版で学習していました。
しかし今回、第3版を買いなおしてよかったです。範囲・要点に変更がありました。

  • 問題集(第3版)を解き直し、完答できるようなる
  • 記述問題の時間確保のため、選択問題を早く解き終える対策が必須
2 試験範囲内の知識全体像を把握するために、SQuBOK 全体を拾い読み 4h

SQuBOK、大きいし、分厚いです。おそらく、見慣れない専門用語も多いです。
1ページ目から真剣に読み込むと心が折れそうになります...
2~3周程度、流し読みをすることで、学習ハードルが少し下がります。

  • 見たことの無い単語を無くす!
  • 各章の概要や重要なポイントを「なんとなく知っている」状態にする
  • 推奨:2~3周おこなう
3 公式サイトの過去問を1つ確認し、出題形式を把握 20min

学習方法 | JCSQE ソフトウェア品質技術者資格認定のうち1つを確認します。
今の知識レベルで解けるのかどうか、確認して不安要素を取り除きます。

4 SQuBOK 全体を読みこむ 6h

気になったところは、マーカーで線を引きます。
本をきれいに扱いたい思いはフタをしましょう。もしそうなったら新しく買えばよいのです。

  • 各章の詳細を理解する※この時点では暗記に力を入れない。「後で思い出せる」状態にする
  • 推奨:1~2周おこなう
5 SQuBOK をもとに、各章ごとに重要なポイントや概念に関する問題を作成 15h

最終的に、200問程度を作成しました。

  • 自身で問題を作ることで、知識の整理や理解の定着を図る
  • 記述問題に耐えれるよう、説明形式や虫食い形式がオススメ
  • 問題作成はCSV形式で※理由は手順7に
6 公式サイトの過去問を回答 30min

学習方法 | JCSQE ソフトウェア品質技術者資格認定にある過去問を解いてみます。
私の場合、問題作成に夢中になってしまったため、この作業に時間をかけることができませんでした。

7 試験直前まで:問題を作る、解くを繰り返す 3h

回答には、単語帳アプリを使いました。
通勤・通学中など、いつでもどこでも勉強できるので時間確保ができました。
CSVインポート可能だったので、キーボード、表形式で問題を作成できたことが良かったです。手書きやスマートフォン入力よりは問題作成が楽でしたね。

  • CSVインポート可能な単語帳アプリが便利
  • 理解不足を感じた範囲は、SQuBOK を読み返す、音読する

おまけ:例題とか

実際に作成した

Q:【語句を説明せよ】
危害(harm)
A:クリックで解答を表示する

システムによって人間の生命が損なわれたり、身体に害が及ぼされたり、社会に広範囲な悪影響が与えられること

Q:【( )内を埋めよ】
SIL(安全度水準:Safety Integrity Level)が( 1 )ほど、ハザードの発生頻度は低く、危害は小さくなっている必要がある。 評価したリスクが SIL を( 2 )場合、( 3 )安全的、( 4 )安全的な方策を採る必要がある。
A:クリックで解答を表示する

( 1 )高い
( 2 )超える
( 3 )本質 ※順不同
( 4 )機能 ※順不同

Q:【( )内を埋めよ】
CMMIは、( 1 )と( 2 )という( 3 )種類の改善経路を持つ。( 1 )とは、プロセス領域の集合に一つ一つ順番に取り組むことにより、関連するプロセスの集合を組織が改善するアプローチで、( 4 )の( 5 )段階のレベルがある。( 2 )とは、組織が選択したプロセスをその組織が一つ一つ改善するアプローチで、( 6 )の( 7 )段階のレベルがある。
A:クリックで解答を表示する

( 1 )成熟度レベル
( 2 )能力度レベル
( 3 )2
( 4 )0~5
( 5 )6
( 6 )0~3
( 7 )4

Q:【問題に答えよ】
品質に関する向上意欲を高めるための動機付けの具体例を3つ答えよ。
A:クリックで解答を表示する

・高品質な製品およびサービスはコストが削減されて利益を生み、また、顧客の信頼を得ることができ、経営的に貢献度が高いと教える
・障害を隠蔽せずに報告することを妨げない組織文化を作る
・品質目標達成に表彰制度などを設ける

今回私が使用したアプリ

スライドで前後のカードへ移動、タップでめくれる仕組みは直感的で扱いやすかったです。
横画面対応や、フォントサイズを変えられるところも便利でした。
CSVインポートの手順も説明を読めば簡単にできました。 appruns.co.jp

学習資料と参考書

次の2冊を使用しました。


3.試験当日

  • 持ち物:鉛筆 と シャーペン
    受験票にある通り、忘れ物がないように準備しましょう。
    マークシート問題用の鉛筆、記述問題用のシャープペンシルがあると良いでしょう。

  • 大阪試験会場:(おなじみの)中央電気俱楽部
    DOTICA(ドージマ地下センター)を通るルートが、ぎりぎりまで地下を通れるのでお気に入りです。

  • 時間配分:120分
    選択問題、穴埋め問題を早く終え、文章問題に時間をかけれるよう意識しました。
    文字数制限があるので、問題用紙にいったん書いて、文字数を調整した後、回答用紙に清書します。

  • つまづいた点:漢字
    記述問題にて、ふと漢字が思い出せず焦る場面がありました...

おわりに

受験したことで、品質管理について、より言語能力が高まった、引き出しが増えたと感じました。

エムオーテックスでは、新しい取り組みにチャレンジさせてもらえる文化があるので、(もちろん、目標・効果の提示は必要ですが)
学習した手法を実践し、より品質の高い製品づくりに貢献したいと思います。