
はじめに
こんにちは、品質管理部の藤田です。
先日、大阪市立総合生涯学習センターで開催されました「WARAI夏の陣2025」に参加してきましたので、参加レポートとしてご紹介します。
イベント概要
「WARAI(関西ソフトウェアテスト勉強会)」は、関西在住のQA/テストエンジニアが企画するオープンな勉強会で、夏と冬の年2回開催されています。
イベント名は歴史上の「大坂の陣」にちなみ、「夏の陣」と「冬の陣」として親しまれているようです。
今回は、「Software Testing Now 2025」をテーマに開催され、「生成AIの活用」に焦点を当て、QA/ソフトウェアテストの現場での活用事例の紹介がありました。
エムオーテックスでも生成AIの活用に力を入れておりますので、自身のAI活用の促進と他社事例の情報収集も兼ねて参加しました。
午前の部:セッション
2名の登壇者の中に我らがエムオーテックスのこーちさんも登壇され、取り組みについてや今後こんな挑戦をしたいという意気込みを話されました。 ちなみにこーちさんが執筆された記事はこちらです。(良ければご覧ください!) tech.motex.co.jp
おふたりの資料は下記URLにあがっておりますので、詳細は下記をご確認ください。 warai.connpass.com
セッション1: こーちさんの発表
こーちさんの発表「テスト活動に、一口サイズのAI仕込み」では、タスクを細分化しどのように、生成AIをテスト設計作業に組み込むかについて、「料理」で例えて発表されました。
仕様確認、観点出し、レビュー、不具合調査など、1つ1つのテスト作業における生成AIの活用事例が紹介されました。 テスト仕様書やテスト観点の作成を、まるまる生成AIに投げるのではなく、タスクを細かく区切って渡すことでやってほしかったことや、成果物の精度向上に重要と理解しました。
さらにもう一歩踏み出して、「テスト観点の一部を再考してもらう」、「テスト設計手順のこの部分を担ってもらう」など範囲をしっかり定義した後、条件を一緒に伝え渡すことで、生成AIを有効に活用できる方法を学びました。
セッション2: やまずんさんの発表
やまずんさんの発表「Geminiを活用したソフトウェアテストについて本気出して考えてみた」では、生成AIの一つであるGeminiをどのようにソフトウェアテストに活用できるかについて具体的な事例を交えて説明されました。 (資料はconnpassに上がっておりますので、そちらをご確認ください)
具体的な活用方法としては、ドキュメント作成の支援、テストコードの生成、テストデータの動的生成など、生成AIがどのようにテストプロセスを支援できるかが紹介されました。
注意点としては、生成された結果のレビューやファクトチェックが必要であることです。また、ハルシネーションには注意しつつ、アイデアや方法についてはある程度の量を出してくれるので、そこから精査することが重要と学びました。
午後の部 :OST(Open Space Technology)の実施
午後のセッションでは、OST(Open Space Technology)が実施されました。 OSTとは、参加者が自由にテーマを提案し、その場でディスカッションを行う形式のワークショップのことです。
次の画像のように、時間と部屋で区切った簡易なタイムテーブルを作成します。
そのタイムテーブルのテーマは参加者自身が気になっていることや話し合いたいテーマを書いていきます。

OSTの良さは参加者が自分の興味や関心に基づいてテーマを選び、自由に議論できる点です。 これにより、普段は聞けないような他のエンジニアの視点やアイデアを聞くことができ、大変刺激を受けました。
今回出てきた「生成AIでテストエンジニアの教育ができるのか」というテーマについて紹介します。
まず、教育プログラムはどんなことがあるかを洗い出し、それぞれ具体的な作業や工程を書き出しました。
次に生成AIの得意不得意を話合いながら、どこで活躍できそうか話合いをしました。 活躍できそうなシーンとともに、課題もいくつか出てきました。
- ハルシネーションにどう気づくのか
- 生成AIの回答を流用したときの責任範囲はどこまでなのか
- 生成AIにどこまで任せるのか(期待するのか)
- 生成AIでテストエンジニアのマインドを作れるのか
この場で言葉に出して、共感や意見をもらい、自身が思い巡らせなかった観点や課題に気づくことができました。

まとめ
「WARAI夏の陣2025」では、生成AIを活用したソフトウェアテストについて学ぶことができる貴重な機会でした。 OSTを通じて、参加者同士の交流やディスカッションが活発に行われ、新たな知見を得ることができました。
最後までお読みいただきありがとうございました。